兼用住宅・併用住宅のススメ

近年の働き方やライフスタイルの多様化に伴い、兼用住宅や併用住宅が注目されています。
家族と共に生活しながら、自宅で事業を展開するためにどのように形にすればよいのか?
という方へ、具体的な注意点、適用条件、制限そして実際のケースまでご説明いたします。

皆様のお住まいは住宅専用として取得された方がほとんど

プロカド代表の私は、20年ほど前に中古住宅を購入、改修を加えて住みました。
1階に一部屋客間のある、私らには、やや持て余す延べ床面積の住宅でした。
将来、プロカドの事務所をつくる為です。
購入して約15年後になりましたが実現しました。
低層住居専用地域の兼用住宅です。

現在、個人事業主からの時代を含めると約5年ほど経ち、事業の規模、蓄積した資料などが徐々に増加し、やや先では異なる展開を迎えそうですが、今のところは自分の設計した生業空間が、住と近接している、最高の環境といえます。

近年は様々な影響による環境変化により、大きな企業も分業や外注化が進んでいると聞きます。
また、コロナ禍の時は、住宅の広告では寝室に付した書斎がある間取りのものをよく目にしました。リモートワーク、テレワーク対応ということですね。
その後、その無駄のない生活様式を気に入られて、退社-独立開業(今はフリーランスというのでしょうか)というケースは多いようですね。
また、私のように、いつかは開業・・・などと考えながら生業に精進されていらっしゃる方も少なく無いかと思います。

もちろん、事業内容によってはロードサイドに事務所が必要だったり(集客)、広い倉庫や業務スペースが必要なものもありますが、それらは住宅地では開業できません。 当社では低層住居専用地域での兼用住宅に焦点をあてて、お手伝いしたいと考えています。

第一種住居専用地域内に建築することが出来る兼用住宅

住居専用地域なので、基本的に制限は厳しいです。

事務所や店舗などの兼用部分の規模についての規定は、住居部分の面積が延べ面積の1/2以上であり、兼用部分の床面積を50㎡以下という条件になっています。

建築することが出来る兼用住宅の種類には

  • ・事務所(業務、使用内容などに制限あり)
  • ・日用品の販売を主たる目的とする店舗又は食堂若しくは販売店
  • ・理髪店、美容院、クリーニング取次店、貸本屋・・・、その他これらに類するサービス業を営む店舗
  • ・洋服店、畳店、建具屋、自転車店、家庭電気器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗
  • ・自家販売のために食品製造業を営むパン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類するもの
  • ・学習塾、華道教室、書道教室、囲碁教室その他これらに類する施設
  • ・美術品又は工芸品を製作するためのアトリエ又は工房

(*何れも原動機を使用する場合にあっては、その出力の合計が0.75kw以下のものに限る)
大きくはこのように規定されています。

法令以外で気を付ける事

まず建物内部的なものですが、兼用住宅は事業スペースと居住スペースが近接しています。 そのため、お互いの防音対策が必要です。
床、壁、天井に防音材、吸音材を使用する、ドアは防音性のあるものにするなどです。
これらは、スペースを空にしないと施工できませんので、事前にしっかり計画する必要があります。
また、事業スペース単体で考えた時のセキュリティについてもよく検討する必要があります。
事業スペースには金銭だけでなく、個人情報その他の資料などもあることが多いと思います。
そのため、外部からの侵入対策だけではなく、内部間の家族の往来を鍵などで制限したり、書類等を施錠付きのもので保管するなどの必要があります。

次に建物外部についてですが、基本的に住居専用地域ということで、建物の周囲には住宅が近接しているかと思います。
窓、ドア、外壁などから音や臭気などが漏れて、近隣の迷惑にならないよう、対策が必要です。
また、車両による来客が想定されるようであれば、路上駐車などで迷惑かからないよう、駐車場を借りる、増やす(拡張、増設)などの計画も必要です。
あくまでも居住することが主の地域ですので、近隣の良好な住環境維持のために、綿密な対策を講じましょう。

施工事例

野外自然塾、書道教室などを運営されている例です。

一般社団法人ガッツ倶楽部様(ホームページはこちら)
育好堂様 書道教室(ホームページはこちら)

増築を伴う計画でした

小学生等を対象とした自然教室やキャンプなどを通して子ども達の「眠れる野生」=「生き抜く力」を呼び起こし、知育・体育・こころ育を図る、言わば野外自然塾を運営するご主人と、「好きだから上手くなる」がモットーの、段・級の取得を優先しない、ちょっと変わった書道教室を運営する奥様が使用されています。

創業初期は、付近の賃貸物件にて運営されていました。
しかし、家賃、近隣関係、アクセス及び利用の自由度などに難あり、拠点の変更をご検討
そんな時に都市計画の建蔽率/容積率の緩和(新築時より、条件付きだが上積みが可能)が発生したことをご提案しました。
当時行っていた室内での塾(座学)や、書道教室の用途やキャパシティにも充分対応が可能な設計ができ、その後の積算-施工もワンストップで行わせていただくこととなりました。
現在は主として書道教室と一般社団法人ガッツ倶楽部の運営事務所としての利用、稀に知人との熱のこもった意見交換、懇親の場?としても利用されています。

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